第3章 脊椎動物の発生I:生活環と実験発生学的解析
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すべての脊椎動物は、外見上は多くの違いがあるにもかかわらず、類似した基本的なボディプランを有している
脊柱(vertebral column)
脊髄を取り囲む分節化した背骨
その前端には骨性あるいは軟骨性の頭蓋によって保護された脳を持つ
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これらの特徴的な構造は、脊椎動物の主軸である前後軸(antero-posterior axis)を表している
前後軸に前端には頭部が位置し、対になった付属肢(四肢)を持つ体幹が続く
陸性脊椎動物付属肢はヘビ類においては見られないが、魚類においては対の鰭が発生する
このような前後軸は、後端においては肛門より後部の尾部構造として終結する
脊椎動物のからだは同時に、背から腹へと走る背腹軸(dorso-ventral axis)を有しており、脊髄が背腹に沿って走り、口部構造は腹側にできる
このような前後軸および背腹軸は、協調して動物の左右性も決定する
一般に脊椎動物は背腹正中線を中心に左右相称(bilateral symmetry)であり、外見的には左右双方の構造は互いに鏡像対称(シンメトリックな)構造を形成している
対を持つ内蔵、例えば肺、腎臓、生殖腺などは左右に相称であるが、単一の器官である心臓や肝臓は左右に関し非対称的であり、背腹正中線に関しては心臓は左側、肝臓は右側に位置する
本章では、個々の発生メカニズムについてはまだ記さず、発生のアウトライン、すなわち脊椎動物胚でしっかりと定められた全体的なボディプラン(body plan)を生み出す初期の発生過程で怒る形態の変化について述べる
その際、特徴的な構造、例えば脊索や神経管についても言及する
さらに、初期受精卵の卵割から、細胞移動のようなダイナミックな発生過程を通じて胚の再編成や三胚葉の正しい位置での形成などが怒る原腸形成についても言及する
そして、最初の神経系の出現である神経管の形成(つまり神経管形成(neurulation))について言及する
胚葉(→BOX 1C 胚葉)
外胚葉(ectoderm)
神経系や皮膚を形成する
中胚葉(mesoderm)
骨格、筋肉、心臓、血液などの組織を形成する
内胚葉(endoderm)
腸管とそれに関連する内臓器官や膜構造を形成する
脊椎動物の生活環および発生の概要